ヤミヤミ≒ヨマイヨマイ

このブログはわたしじゅんはじめが外界からの数多の刺激の中で妄想した事柄とか内なる衝動が生み出した邪なる創造の萌芽とかそういうなんだかよくわからないものを徒然なるままに日々雑記として書きつらねていこうと画策した上に設置されたものである・・・・・・・のかもしれないぞっと(^^ゞ

東京物語

3月 10th, 2025 by PureJyam

「東京物語」 1953
監督は小津安二郎。主演は笠智衆、原節子。一つの家族を描くというわけなので、ジャンルとしてはホームドラマに入るのかもしれないが、さすがにそんな安っぽい感じではない。
尾道の老夫婦が東京に住む息子、娘の元に赴くが、2人とも自分たちの仕事が忙しくなかなか両親の相手ができなかった。
初小津である。黒澤監督作品はそれこそ中学生のときから見ているが、それは「七人の侍」とか「用心棒」といったアクション系のものがあったからだ。対して小津安二郎監督というと、有名ではあるがどちらかというと今作のような家族物が多く、自分の趣味と全く合っていなかったのだよね。
じゃあどうして見たのかというと、まぁわたしも年を取ったということだね。中学生で小津安二郎にはまるような映画マニアでもないが、年を取るとこういう系の映画も見てみるかなと思うようになるわけだ。
最初に何を見ようか悩んだのだけど、やはり一番評価の高い今作になった。
136分の長尺だが、全く長さを感じさせない。ストーリーは単純で派手な見せ場があるわけでもなく、ただ淡々と家族の様子を描くだけなのだが、見入ってしまう。
ドラマチックな展開になりそうだなと思う場面もあるにはあるのだが、そういうところをあえてスッと外して来るところが、うまい。評価が高いのも納得である。
そして役者もみんなすごいね。特に母役の東山千栄子、そして長女役の杉村春子が抜群にうまい。うまいというかリアリティが群を抜いてる感じ、朴訥でいかにも昔のお母さん然とした東山、自己中でデリカシーのない杉村、どちらもこんな人いるよなぁと思わせる。
父役の笠智衆は当時50歳くらいのはずだが、多分70超えている役を完璧に演じていて別格。この人わたしが物心ついたときからおじいちゃん役をやっているので、もうこのイメージしかないんだよね。

Posted in 映画

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