紅い眼鏡
去年の5月くらいに4Kデジタルリマスター化のクラウドファンディングを募集していたのを見て、ついつい応募してしまったやつが、ようやく完成し手元に届いた。1千万円の目標に対し約6倍もの資金を集めたため、当初ブルーレイディスクだけだったものが、UHDBDとの2枚組となったのはうれしいが、そっちはまだ未見だ。
「紅い眼鏡」 1987
監督押井守、主演千葉繫の実写映画である。押井監督しては初実写となる作品だ。以前見た「ケルベロス-地獄の番犬」はこの続編であるが、雰囲気は大分違う。
プロテクトギアに身を包んだ最強の警察特捜班の隊員だった都々目紅一は解散命令に背いて海外に脱出する。数年後密かに帰国した都々目は、かつての仲間たちを訪れるのだが。
冒頭とラストのみカラーで、本編はモノクロのパートカラーである。15年以上前にケーブルテレビでやっていたのを見たのが初見だったと思う。
低予算だったせいもあって自主制作映画感が強いが、アニメのコンテをそのまま使って実写化したようなテイストは何とも味があってきらいではない。ただ次作の「ケルベロス-地獄の番犬」を見る限り監督としては特にこういうものを目指していたわけではなさそう。
押井監督はこのあともそこそこ実写映画を撮っているが、以前見た「アサルトガールズ」もパッとしない出来だったし、監督のイメージを具現化するには実写では無理ゲーで、やはりアニメでこそ本領が発揮できるのではないのかなぁ。
今作については初期の企画が千葉繁のプロモーションビデオだったせいなのか、まさに千葉繫劇場と言っても過言ではないほどのインパクトがあって、千葉繫がいてこそ成り立っている映画ではある。
クラファンに参加しておいて何だが、そこまで思い入れがあるわけではないが、妙に惹かれるものがあるのも事実なんだよね。今回監督の監修も受けつつかなり気合を入れてリマスターしたらしく、画質はかなりよい。傷やゴミなどもなく、40年前のフィルム作品とは思えないほどだ。
ちなみにクレジットに名前を入れてもらったが、支援者が2000人以上いるため探すのが難しかった。
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