ヤングガン
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「ヤングガン」 1988
監督はクリストファー・ケイン。主演はエミリオ・エステベス、チャーリー・シーン、キーファー・サザーランド。あのビリー・ザ・キッドが関わったリンカーン郡戦争と呼ばれる有力者同士の抗争事件を描く。
リンカーン郡の牧場主であるタンストールに助けられ働くことになったビリーだが、タンストールが対立するマーフィ陣営に殺されたため、仲間たちと共に復讐を誓う。
ビリー・ザ・キッドは西部開拓時代に実在した悪党ではあるが、若くして射殺されたため伝説化してヒーローみたいになってしまっている。日本人のわたしでさえ相当昔からその名前を知っているが、いったいどこで知ったのだろう。ビリーが登場する映画も多く作られてはいるが、今作以外は見たことないのだよね。
ストーリーは史実に沿ってはいるもののかなり脚色されているらしい。またこのあとに続くお話は続編の「ヤングガン2」で語られている。
若者たちが世話になった人の仇を討つため有力者と戦うという、盛り上がること間違いなしのシチュエーションにもかかわらず、クライマックスでもなんか今一つ上がらない。仲間がどうとか台詞で言わせてるのに、その肝心の仲間たちを描いてないのだよね。どういう生い立ちでどういう人間なのか、さっぱりわからない。唯一キーファー・サザーランドが演じるドクだけは女を巡ってのエピソードがあるものの、主人公のビリーでさえ何を考えているのかわからないただのサイコ野郎にしか見えないので、誰にも感情移入できない。敵方と追いつ追われつの旅をしているのに、ぶつ切りのエピソードを無造作に繋げただけにしか見えない雑な演出なのがさらに感情移入を阻む要因になっている気がする。ただ、それはあくまで日本人の感覚に過ぎず、ビリー・ザ・キッドの話はアメリカでなら誰でも知っているお話なので、細かく説明しなくてもわかるよねというスタンスなのかもしれない。
ビリー役のエミリオ・エステベスは見たことない役者だと思ったが、若者たちのリーダー役のチャーリー・シーンの実の兄だった。なんか全然似てないんだけどね。
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