ソラリス
「ソラリス」 2002
スティーヴン・ソダーバーグ監督、ジョージ・クルーニー主演のSF。プロデューサーとしてジェームズ・キャメロンも名前を連ねている。
あまりヒットもしなかったし、評価も特にされていないせいか日本語版のブルーレイは出ておらず、DVDも2004年に出たきりで絶版らしくしょうがないので中古で買った。
あの「惑星ソラリス」のリメイクというわけではなく、原作「ソラリスの陽のもとに」の再映画化ということらしいが、同じ原作ということもあり、ストーリーも当然大体は同じである。
原作未読のため、原作との比較ができないのが残念だが、「惑星ソラリス」との比較で言うと、同じ原作を使っているのに、こうまで印象の違う映画ができるものなのだなという感想。なんで再映画化しようと思ったのか全く理解できないが、出来上がったものは単なるB級SFメロドラマであった。
監督のソダーバーグという人の作品は他には見たことないが、今作と同じくジョージ・クルーニーが主演した「オーシャンズ11」というヒット作を撮っている。
そのせいか見ていられないほどつまらないわけでは全然ないのだが、尺の短さもあって今一つ描写不足が目立つ。そのわりに過去回想が長い。どちらかというと、死んだはずの妻が現れる現在における主人公の心の動きの描写をやるべきだと思うのだが、そっちはなんかわりとテキトーで、すぐにコピー妻を受け入れてしまう。いや、もっと葛藤とかあるべきなんじゃないの?
それをやるとほぼ「惑星ソラリス」と同じになっちゃうので、あえて避けたのかもしれないが、結局劣化コピーにしかなってないのだよね。
「惑星ソラリス」でもタルコフスキー監督と喧嘩したスタニスワフ・レムは当然今作にも満足しなかったらしい。そういえば、以前見た「イカリエ-XB1」の原作もレムだったが、これに対してはどういう感想だったのだろうか。
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