コップ・カー
「コップ・カー」2015
ジョン・ワッツ監督、ケヴィン・ベーコン主演のサスペンスコメディ?
監督のジョン・ワッツは、2017年の「スパイダーマン・ホームカミング」からのスパイダーマン3部作を撮った人らしい。わたしは見てないけど。
家出した2人の小学生は、森で放置された保安官の車を発見する。2人は喜び勇んで車を乗り回すのだが、持ち主の保安官は悪徳保安官だった。
原題の「COP CAR」はまぁパトカーということなのだが、さすがに邦題を「パトカー」にするわけにもいかないのか、原題そのままである。
冒頭のシチュエーションを見る限り、どういう方向性でいくのか次第でホラーにもサスペンスにもコメディにもなりうるのだよね。ただ、登場人物が皆あまり賢くなさそうなので、わたしは勝手にコメディよりなのかなと思って見ていたのだが、作り手がそう思っていたのかどうかは不明。もしかすると普通にサスペンス物を作っていたのかもしれない。
悪くはないのだけど、どんなジャンルとして見てもちょっと中途半端な感じは否めない。車を盗むのが小学生なので、あまり話が広がっていかないのだよね。街中を走らせるわけにはいかないので、どうしても荒野の一本道を走るだけだし、当然カーチェイスができるわけでもないし、もちろん銃撃戦もできない、また持ち主の保安官との交渉ができるわけでもない。そこが作り手の狙いなのかもしれないが、この小学生に車を取られてしまうというシチュエーション自体があまり効果的に生かされてない気がする。だからと言って、これを中高生くらいにしてしまうと、結局普通のチェイス物みたいになってしまって、多分それは作り手は望んでいないのだろうなと。あまり知識のない小学生だからこそ成立しているストーリーではあるのだよね。
いっそ小学生たちは単に車を走らせているだけで、大人たちが勝手に右往左往して大騒ぎになって死人もたくさん出るのだが、小学生は車に飽きて何が起きているかも知らないまま車をまた放置して家に帰るみたいな方が面白かったのではとも思う。その方が後味もよくなるだろうし。
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