アンストッパブル
「アンストッパブル」 2010
「サブウェイ123 激突」と「デジャヴ」に続きトニー・スコット監督作品。これまたデンゼル・ワシントンとのコンビである。さらに「スタートレック」新シリーズのクリス・パインが加わったアクション映画だ。トニー・スコット監督の遺作でもある。
無人のまま動き出した貨物列車には、危険物が満載されていた。加速し続ける列車を止めることができるのか。というわりとありがちなシチュエーションに見えるが、2001年に実際に起きた事故をベースにしている。当然細かな部分はかなり脚色されているが、本筋はほぼ現実に起こったことをなぞっているようだ。
暴走列車は映画の最初で走り出し、その最後で止まるまでずっと走りっぱなしである。関係者が列車を停止させるために奔走する様を中心に描いていて、こういう系の映画にありがちな妙な人間関係の描写とか社会への問題提起とかがないのがよい。もちろん最終的に列車を止める主演の2人の家族とか現場を知らない鉄道会社の上役とかの描写はあるものの、さほど比重は置かれていない。またあくまで無人の貨物列車だというのがよい。乗客がいる列車だとハラハラ感は増すが、どうしても乗客の描写が入ってしまい、視点がぶれるんだよね。
あらゆる手段が失敗する中、たまたま居合わせた機関士と車掌が命がけで行動を起こすというベタベタのベタな展開だが、エンタメアクション映画はこういうのでいいんだよと強く思う。
監督はCGを極力使わず実際の列車を走らせて撮影するとことにこだわったというが、やはりそれによって現実感が増している感はある。本物を使う方がやっぱりリアリティが上だよねと言いたいところだが、まぁ10年以上前の作品でもあるし、現在の技術であれば同じ絵をCGで完璧に再現できるんじゃなかろうかという気もしないでもない。
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