五匹の紳士
5月 6th, 2023 by PureJyam
「五匹の紳士」 1966
五社英雄監督、仲代達矢主演のクライムアクション。五社監督というと以前見た「三匹の侍」と同様時代劇の印象が強いが、これは現代劇だ。
刑務所で知り合った平幹二朗から紹介された女に会いに行った仲代達也は、大金と引き換えに3人の男の殺害を依頼される。
オープニングのタイトルバックで描かれるキーとなる2年前の事件を反転画像で表現するとか、俯瞰を多用した追跡シーンとか全体的にかなりスタイリッシュな演出が目立つ。ストーリーも進行するほどに方向性が変わってゆくので先が読めない面白さがある。
ただ、途中で子どもが関わることで、どうにも浪花節的雰囲気が漂い始めるのが微妙。男だけの物語に徹底すればフィルムノワールっぽく仕上がった気もするが、まぁ時代的にしょうがないところか。
謎の外国人役で出てくる天本英世が怪しすぎて逆に世界観を緩くしているのもご愛敬。
「大菩薩峠」では鬼気迫る演技を見せていた仲代達也は、今作では交通事故を起こして人生を棒に振ったサラリーマンという役で、殺しを依頼されるも悪には徹しきれないある意味普通の男を演じていているが、まぁ何をやらせてもうまい役者はうまいね。
総じて面白いことは面白いが、いろいろ惜しい。それと、このタイトルはどうにかならんかったのか。
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