悪の法則
「悪の法則」 2013
監督はリドリー・スコット、主演はマイケル・ファスベンダー、他にキャメロン・ディアス、ブラッド・ピット、ハビエル・バルデムらが出ている。
弁護士として成功しているファスベンダーは、ちょっとした小遣い稼ぎに麻薬取引に手を出す。しかし、とある人物の介入で取引は失敗し、ファスベンダーはメキシコの麻薬組織の怒りを買うことになる。
原題は「counselor」という単に弁護士というだけのあっさりしたもの。主人公は作中で名前は出てこず、常にcounselorとだけ呼ばれている。邦題はまぁ映画の内容を端的に表現しようとしたのだろうとは思うが、センスはない。
脚本を書いたのは、コーマック・マッカーシーという「ノーカントリー」の原作小説を書いた作家である。作家による脚本であるというせいか、セリフによる匂わせ表現が多い。ストーリーをセリフで説明するというような稚拙なものではないのだが、弁護士と婚約者、麻薬取引の共同出資者の実業家、仲介人らとの会話シーンがかなり多くなっている。ただその会話シーンと麻薬取引が淡々と進んでゆくシーンとの対比が大きな緊張感を生み出しているので、そこはリドリー・スコットのうまさなのだろう。
ただわかりにくく救いのないストーリーには賛否がわかれているようだ。わたしは結構面白く観た。
「ノーカントリー」でサイコな殺し屋を演じていたハビエル・バルデムが、今作ではちゃらい実業家をやっているのだが、あまりにも印象が違いすぎて同一人物とは気づかなかった。まったくもってすごい役者だ。何を考えているのか全くわからない不気味な女役のキャメロン・ディアスもインパクトあるけどね。
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