ドント・ブリーズ
気になっていたので、ブルーレイが出たときにすぐ買ったような気がするが、そのまま今まで放置していたという・・・
「ドント・ブリーズ」 2016
監督はフエデ・アルパレス、主演はスティーブン・ラングのサスペンススリラー。とはいえ、どちらも知らない人。
監督は2013年に「死霊のはらわた」のリメイクを撮っているようだが、残念ながらそっちは未見。
元軍人だが戦場で盲目となった老人の家に強盗に入った3人組の若者が返り討ちに合うというストーリー。聴覚に優れた盲目の相手なので、暗闇の中ではこちら側からは相手が見えないが、相手からは息をしただけで居場所を特定されてしまうから、息するなという意味を含んだタイトルである。
要約してしまうとなんか単純な話に聞こえるが、実際はもうちょっと込み入っている。侵入者側の視点に立てば、圧倒的な力の敵からどうやって逃げられるかをはらはらしつつ見るパターンになるし、逆に盲目の老人視点で見ると、突然押し入ってきた正体不明の暴漢をどう撃退するかを見るパターンにもなるわけで、演出次第でどっちにも転がる映画なのだ。
この映画がどっち系なのかというと、侵入者側の若者たちの日常を描くことで、完全な悪党ではないよみたいなメッセージを発しているので、基本的には前者っぽい演出なのだが、敵側がジェイソンのようではなく、元軍人ではあるが盲目でかつ娘を事故でなくしたばかりのひとりの老人として描かれているので、強盗に入ったこいつらがどう撃退されるかを見るみたいな後者の視点でも見られるような作りなのである。
さらに、老人が単なる弱者かというと、そんなわけでもないような仕掛があって、いったいどういう風に着地させるのかというメタ的なところでも楽しめるようになっている。
なかなか秀逸な脚本である。
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