黒猫・白猫
12月 17th, 2022 by PureJyam
「黒猫・白猫」 1998
以前見た「オン・ザ・ミルキーロード」と同じエミール・クストリッツァ監督のセルビア映画。「オン・ザ・ミルキーロード」は寓話風ハードファンタジーといった感じの複雑な映画だったが、その18年前に作られたこちらは普通にドタバタコメディ物。
賭けごと大好きなチンピラ男のマトゥコには普通っぽい息子のザーレがいる。マトゥコはヤクザのダダンと組んで悪事を企むが、ダダンにいいように騙され借金のかたに息子をダダンの行き遅れの妹と結婚させる約束をしてしまう。しかしザーレにはできたばかりの恋人がいた。
監督はこの映画の前に撮った「アンダーグラウンド」の政治性の高さゆえに論争にまきこまれてしまい、監督引退を図るもののその後撤回し撮ったのがこの「黒猫・白猫」となる。そのせいなのか、この映画は全く政治的な意図を感じさせないほんとに単なるコメディとして作られている。雰囲気としては、ひと昔前のクレージーキャッツとかが出ていた日本の喜劇映画っぽい。もっとも深読みすればなんらかのメッセージを読み取れるのかもしれないが、何も考えずに楽しむ映画として見た方がよいのではなかろうか。
主人公たちはジプシーらしいのだが、そのあたりのバックグラウンドがよくわからないので、ギャグとしてもわかりずらい部分はあるものの、つまらなくはない。ちゃんとハッピーエンドで大団円するところもよい。
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