帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令
11月 29th, 2022 by PureJyam
「DAICONFILM版 帰ってきたウルトラマン」1983
前回見たいと言っていたやつをようやく見る。監督は庵野秀明、脚本は評論家?の岡田斗司夫。配信タイトルにあるDAICON FILMというのは、当時大阪で行われた日本SF大会をDAICONと呼んでいて、そのオープニングアニメを作った人たちが結成した自主制作映像集団だ。そしてこの集団がのちにガイナックスを設立し「エヴァンゲリオン」を制作することになる。
「帰ってきたウルトラマン」と題してはいるが、内容はウルトラマンやウルトラセブンを含むウルトラシリーズ全体へのオマージュであり、変身には眼鏡が用いられる。
自主制作作品とはいえ、製作費はそこそこかかっていそう。戦闘機や基地、街並みのミニチュアを使っているし、当時としてはちゃんとしたコンピューターグラフィックも出てくる。役者はまぁ素人っぽいが、脚本やカメラワークはしっかりしていて、ウルトラシリーズ本編と比べても遜色ない感じ。作りはほんと凝っている。ただし、上の写真を見てわかる通り、ウルトラマンは庵野秀明その人が生身で演じている。クライマックスはウルトラマン柄のジャケットを着たただの兄ちゃんが、着ぐるみの怪獣と死闘を繰り広げるというシュール極まりない絵づらを見せられるのだが、それを大真面目にやっているとこがすごい。一歩間違えると単なるお笑いにしかならないシーンなのだが、あまりにもちゃんとしすぎていて、全然違和感がない。いやほんと素晴らしい出来。監督庵野秀明の才能が既に垣間見える一編である。