テルマ&ルイーズ
「テルマ&ルイーズ」 1991
公開当時に予告を見て気になっていた映画。とはいえ、その後30年近く経ってようやくブルーレイを買い、かつ数年放置していたという・・・。まぁ単に見るのを後回しにしていただけなのだけどね。しかも監督がリドリー・スコットだったというのは、今回見ようとして初めて知った。それを知っていればもうちょっと早く見ていたかもしれない。
友達同士の2人の女が、車でちょっとした旅行に行こうとするのだが、その途中でトラブルに巻き込まれ、結局追われる身になってしまう。というストーリー。
ブルーレイには、ウーマンバイオレンス映画とか書かれているが、そういう感じの映画ではない気がする。取り立ててバイオレンスを扱っているわけではないからね。
モラハラ夫に不満を持つ主婦のテルマと独身の中年ウェートレスのルイーズは、全くの一般人であったはずなのに、二人をとりまく状況だけがどんどん悪化してゆく。時には険悪になりながらも助け合い、なんとか脱出しようともがくこの二人を演じる、ジーナ・デイビスとスーザン・サランドンはほんとうまい。
荒野をひた走る車は、状況と相まって「バニシング・ポイント」に向かっているようにしか見えなくて、作られたのが1990年代にもかかわらずもう完全にアメリカンニューシネマなのである。まぁタイトルからして、名前を繋げたやつなのが、「Bonnie and Clyde」(俺たちに明日はない)や「Butch Cassidy and the Sundance Kid」(明日に向かって撃て)を彷彿とさせるわけで、多分そういう意図で作られているとしか思えない。
ただ、かつてのアメリカン・ニューシネマが反体制的な人物を主人公に据えていたのと違い、今作の主人公はごく平凡な女性二人だというのが、時代の反映なのかもしれない。