サマーフィルムにのって
去年の夏に公開された青春映画。見に行きたいとは思っていたものの、いつものごとく見に行けなかったやつ。ブルーレイが出るより先にケーブルテレビで放映されたので、見てしまう。
「サマーフィルムにのって」 2021
監督はCMやMV中心にやっている松本壮史監督。主演は伊藤万理華と金子大地。最近の若手俳優は全く知らないということもあり、出ている役者さんは知らない人ばかりだった。
時代劇大好き女子高生のハダシは、所属する映研が文化祭用に撮影しているラブストーリーが気に入らず、もんもんとしていた。そんなある日、ハダシは自分の書いた脚本の主人公のイメージにぴったりな少年に出会い、彼を主演に独自で映画を撮ることを決意する。しかしその少年は実は未来からやってきた未来人だったのだ。
という、「時をかける少女」と「映像研には手を出すな」を足して2で割ったようなお話。個人的にこの高校生とかが自主制作映画を作る話というのが好きなのだよね。
主役のハダシを演じる伊藤万理華がなんといってもうまい。ころころと変わる表情が愛らしいが、ちょっと屈折したおたくっぽい感じも併せ持っていて、「映像研には手を出すな」の実写版はできればこの子に浅草をやってほしかった。実写版は乃木坂メンバーがやっていたが、伊藤万理華も元乃木坂で、ただ残念ながら2017年の末で卒業してるんだよね。もちょっと早ければありえたのかなぁ。とにかく役柄が監督ということもあって浅草氏そのまんまという感じ。
全体的にはマンガっぽい雰囲気でリアル感は薄い。また登場人物は皆善人で悪役がいない。映画を作っていく中でのハダシの葛藤がドラマな部分ではあるが、さらに男が未来からやってきたという要素を入れることで、ストーリーにメリハリを付けていると言える。
ハダシの友人である天文部のビート板と剣道部のブルーハワイの描写に比べ、映画を撮るために学校で集めた他のメンバーの一人一人の描写が極端に弱いというのが、ちょっと気になったところ。ただまぁじゃあどう描くのかというと、なかなか難しい。あまり重要じゃない要素をへたにつっこむと全体がぼやけちゃうからね。
いずれにせよ、わたしはこういう映画は大好きです。