カットスロート・ナイン

「カットスロート・ナイン」 1972
スペイン・イタリア合作のマカロニウエスタン。残虐描写で有名らしいが、日本では未公開。タランティーノ監督のお気に入り?という話もある。監督はホアキン・ロメロ・マルチェントという全く聞いたことない人。日本語Wikipediaにないので、他作品もよくわからない。
金鉱警備のブラウン軍曹は、囚人護送のために馬車に乗り込んでいたが、金の運搬と間違われて山賊に襲われた結果、囚人たちとともに山に取り残されてしまう。彼は同行していた自分の娘とともに囚人たちを刑務所に向かわせることにする。その7人の囚人たちの中には軍曹の妻を殺した犯人もいるはずだった。
というあまりマカロニウエスタンっぽくないシチュエーションの映画である。派手な撃ち合いがあるわけでもない。ただ、その先の展開はいろいろなパターンが考えられるため、先の読めない面白さはある。最初は銃を持っている軍曹が主導権を握っているわけだが、囚人たちがそれを奪うことができるのか否か。あるいはきっかけを作った山賊たちとの三つ巴になるのか、山賊VS軍曹、囚人の共闘みたいな感じになるのかとか。
結局のところ、わりと意外な展開になっていくのだが、まぁラストも含めてあまり救いはない。嫌いじゃないが、もうちょっと見せ場は作れたんじゃないかという気はする。残虐描写がどうとかパッケージには書かれているが、別にスプラッター映画ではないので、そこまで強調するものでもない。ちょっと殺しの描写が生々しいくらいのものである。
囚人護送になんで娘を連れてきているのか今一つわかりにくいとか、囚人の中に妻を殺した犯人がいるという設定もあまり効果的に使われていないとか、いろいろ突っ込みどころはあるものの、B級マカロニウエスタンとしてはそこそこ面白った。
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