トゥームストーン/ザ・リベンジ
前回と同様関連性は全くないが、B級映画的なところは似たような感じの2作。
「トゥームストーン/ザ・リベンジ」 2013
一度見たら忘れられなくなる風貌で多くの映画で悪役として出演し、2010年の「マチェーテ」で一躍脚光を浴びたダニー・トレホが主演の西部劇である。仲間に裏切られて地獄に落ちたギャング団のボスが悪魔と契約して蘇って復讐するというトンデモストーリーだ。まぁイーストウッドの映画でも殺された保安官が蘇って復讐に来るというのもあったので、パターンとしてはありがちなのかもしれないが、実際に悪魔が出てくるのは珍しい気がする。悪魔役のミッキー・ロークは昔は確か痩せぎすの色男だった記憶があるのだが、わりとクセのあるおっさんになっていた。
主演のダニー・トレホは「マチェーテ」ではとんでもなパワー系の元捜査官という役で大暴れしていたが、今回は西部劇ということもあって、今一つ大人しめな感じ。いや、確かに特徴的に銀の二丁拳銃を派手に撃ちまくるのではあるが、あくまで西部劇の枠組みの中でしかなくて、いままでも誰かがやってきてるよねという印象。ダニー・トレホのキャラを生かし切れていない気がする。まぁアクションは派手だし、面白いことは面白いのだけどね。あと、全体的にスタイリッシュな画面構成で、カットがいちいちかっこいい。
「ザ・リッパー」 1982
ホラーで有名な、ルチオ・フルチのサイコキラー物。ニューヨークを舞台に、若い女性ばかりを切り刻む殺人鬼とそれを追う警察。担当の警部補は犯罪学の教授の協力を得て、犯人を追い詰めてゆくが・・・という感じのサスペンス。まぁルチオ・フルチなので、殺し方はえぐい。ナイフやカミソリでザクザク切りまくる。被害者は大体がストリッパーや娼婦なので、大半は裸で殺される。つまりはエログロである。
このエログロな描写を除いてしまうと、お話としてはテレビの2時間サスペンスのような感じ。特に音楽が、いかにも1970~1980年代の刑事物っぽい軽快なテンポなのもそれに拍車をかけている。もう少しホラーテイストな感じの音楽と演出にした方がよかったんじゃないだろうか。意外な犯人的な描写もあるにはあるがいろいろ説明不足なので、登場人物の行動の理由が結局よくわからないままだったりする。
Posted in 映画