読書 2013/01
今年はのっけから6冊と調子がよい(^o^)
このまま続くといいんだけどねぇ。
1冊写真に撮り損ねた・・・
「都市と都市」 チャイナ・ミエヴィル
SFというかファンタジーというかミステリーというか・・・なんとも不思議な物語。物理的に同じ場所に2つの国が存在しているという設定で、2国はモザイク状に入り交じっていて、すぐ隣を他国の人が歩いていたりする。しかし両国の人たちは物心ついたときから他国を見ないように聞かないように訓練されているので、お互いに「見えない」のだ。
その「国境」を超える行為はブリーチと呼ばれ、重大犯罪とされており、それを行うとどこからともなくどちらの国にも属さない謎の集団が現れてしかるべき処置をされてしまう。
わりと込み入った設定なのだが、なぜそんな風になったのかとかそういうことは全く説明されないまま、そこで起こった殺人事件の謎を追う刑事を中心に話は進む。この手の設定をあえて説明せずに話を進める中で徐々に明かしていくという手法は好きなのだけど、設定が設定だけに地名と人名が入り交じって、さくさくと読み進められないのが難点。お話は面白くなくはないが、謎解きがしっくりこない。
「愚者のエンドロール」 米澤穂信
写真には載ってませんが、これも読みました(^^;)
「氷菓」に続く古典部の第2作。文化祭用に作っているミステリー映画の脚本家が倒れて続きが撮れないので推理するという、超強引な設定になかばあきれつつも読みましたが、その強引さも含めてちゃんと真相があきらかにされるという、ちゃんとした推理小説でした。
1作目よりよいです。いかにも青春推理って感じですね。ちょっとホータローが可哀相だけど。
そにれしても主人公ホータロー以外の古典部の面子のうざさがどうもね。いまひとつ慣れない。アニメを見ると印象変わるのかなぁ。
「ビブリア古書堂の事件手帖」 三上 延
例の最近ドラマ化された女古書店主が探偵のミステリー(^^;)
持ち込まれる古書にまつわるちょっとした謎を話を聞いただけで推理するという、いわゆる安楽椅子探偵ものである。
お話はよくまとまってます。うまいです。でもなんか軽い。読後になんも残らない。つまらないわけじゃないのに、妙に印象が薄いのである。
文体のせいなのかな?
それにしても原作を読んでからドラマを見ると、キャストへの違和感でゲシュタルト崩壊おこしそうになる。
「身代わり」 西澤保彦
全く関係なさそうな2つの事件が実は・・・というのはわりとよくある設定だけど、個人的には好きです。まぁだから買っちゃったわけだけどね。
シリーズ物ですが、探偵とその友人たちが共通というだけでストーリーは独立してるので、これだけ読んでも特に問題ない。
ただ、探偵の描写にどうやら前作の事件にまつわるトラウマがありそうなことを執拗に書いてくるので、気になるといえば気になるかも。
帯にあるように、意外な展開の連続というほどの意外性はない。
2つの事件を結びつける真相がありきたりすぎて泣ける。
「製鉄天使」 桜庭一樹
「赤朽葉家の伝説」の外伝的なお話。中国地方で暴れまわったレディースの頭の物語だが、まぁほとんどマンガである。
剣と魔法の中世ファンタジーも真っ青のバイクとチェーンの昭和ファンタジーと呼んでもいいかも(^^;)
ここまではちゃめちゃに書かれるともはやすがすがしい。
ただやっぱりこれを読むのなら、その前に「赤朽葉家の伝説」を読んでた方がより面白いかもしれない。
「彼女は存在しない」 浦賀和宏
多重人格を扱ったサイコミステリー。あまり書くとネタばれになるので、詳しくは書きません(^^;)
どういう風な落ちをつけるのかと思って読み進めましたが、なるほどそうきたかって感じで、意外性はそこそこありました。
ただ、どうでもよいことで実在するバンド名とか曲名を使って妙に詳しく描写するやり方は、どうも個人的に嫌いだ。
作者がファンなのかもしれないが、読んでる方にはなんの関係もないしそもそもストーリーとも関係ない。
なんか意味もなく細かい描写をするので、全体の密度が薄くなるんだよね。
440ページもあるけど、半分くらいにしても問題なさそうな感じ。
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