バッファロー’66
「バッファロー’66」 1998
監督ヴィンセント・ギャロ、脚本ヴィンセント・ギャロ、音楽ヴィンセント・ギャロ、主演ヴィンセント・ギャロのラブコメ?
無謀な賭けの負け金をチャラにするため身代りに入ることになった刑務所を出所したビリーは実家に戻ることにするが、嫁を連れて行くと嘘をついてしまったため、途中で誘拐した女に嫁のふりを強要する。
主人公のビリーがまぁ子供のまま大きくなったようなやつで、わがままで怒りっぽくて傷つきやすいみたいな、あまり関わり合いになりたくない感じ。ただ実家に行っても、父も母もあまり息子には関心がなく、愛されてる様子が全然ないにもかかわらず、出所後すぐに電話して訪ねようとしたりするところは、なんか妙に優しかったりする。
誘拐された女の子は、前に見た「スリーピーホロウ」に出ていたクリスティーナ・リッチ。この二人が徐々に心を通わせて行くというラブストーリーではあるものの、ビリーの性格を見る限り、なんで無理やり連れてこられた女の子がこいつを好きになったのかがさっぱりわからないのだよね。
ビリーについは、回想も含めて描写が豊富なのだが、この女の子については全く情報が提示されないので、どうして逃げようとしないのかとかどうしてビリーの言いなりになっているかとかが全然理解できない。そういう風に立ち回る要因として女の子の生い立ちとか性格とか回りを取り巻く状況とか何か背景となるものが描写されていれば、多少なりとも納得できるのだろうが、それが全くないのだ。多分あえて描いていないのだろうけど、わたしは見ながらこの娘にまつわるとんでもないオチがあるに違いないと思って見ていた。
が、そんなことはなく、ほんとに普通のラブコメだった。
とはいえ、ビリー役のヴィンセント・ギャロが何とも魅力的なキャラを演じているしクリスティーナ・リッチも悪くなく、かつ演出もオシャレな感じで、まぁつまらなくはない。
タイトルの「バッファロー’66」は、ビリーの母が大ファンのアメフトのバッファロー・ビルズというチームが優勝した1966年という年にちなんでいる、この年はビリーが生まれた年でもある。
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