斬る
10月 24th, 2024 by PureJyam
「斬る」 1968
岡本喜八監督、仲代達也、高橋悦史主演の娯楽時代劇。
上州のとある藩、自らの正義を信じ城代家老を斬った七人の若侍たち。しかし次席家老鮎沢は彼らを追い詰める。
よくあるお家騒動物で、原案となった山本周五郎の短編も、山の砦に立てこもる若侍たちを中心に描いているのだが、岡本監督はそこに仲代達也と高橋悦史という二人の外部因子を挿入することでひねりを加えている。
仲代達也が元侍のヤクザ、高橋悦史が元百姓の侍志願で、かつ単純に共闘するというわけでもないところが、変則的で面白い設定。仲代達也がとぼけた感じの得体の知れない役をやっているのがちょっと珍しい、ただそういう役回りのせいかあまり気合の入った殺陣が見られないのが残念。パッケージ写真はいかにもなカットを使っているが、本編にこういうシーンはないのだよね。
高橋悦史は滅茶はまり役で、ストーリーの多少の粗もこの人のキャラで帳消しになるくらいよかった。元百姓なので剣の腕は大したことないのだが、勢いだけでなんとかしてしまうというというのも面白い。できれば使い手の仲代とへっぴり腰の高橋というコンビでの乱戦殺陣はやってほしかったところ。
あとタイトルが今一つ意味不明なのだよね。内容と合ってる気がしない。
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