スリ
8月 17th, 2024 by PureJyam
「スリ」 1959
監督はロベール・ブレッソン。同じ監督の「ラルジャン」を見たときに、「スリ」も買うだろうみたいに書いていたが、もちろん買ったわけだ。
遺作となった「ラルジャン」の24年前、「バルタザールどこへ行く」の7年前の作品だが、感情表現を極力抑えて淡々と描く演出スタイルは既に確立されている。
貧しい一人の青年がスリに目覚め、深みにはまってゆく姿を描く。
スリの犯罪行為の描写が巧みで、鮮やかな手口で行われる犯行の際の手の動きと目の動きが緊張感を高めていて引き込まれる。
脚本は、ドフトエフスキーの「罪と罰」にインスピレーションを得た監督自身が書いたということだが、そもそも「罪と罰」が未読なので、どのへんに共通点があるのかは不明。あらすじから推測すると多分主人公の犯罪に対する考え方とかそのあたりなのだろう。
スリの手口については、映画の中にもスリの頭として出演しているマジシャンの手ほどきらしいが、複数人による連携は見事としかいいようがない。
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