スペシャリスト
「スペシャリスト」 1969
セルジオ・コルブッチ監督のマカロニウェスタン。またしょうもない邦題を付けたなと思ったら、原題も同じだった。このタイトルはいまひとつよくわからない。主人公が銃のスペシャリストであることからつけられているようだが、だいたいのウェスタンの登場人物は銃のスペシャリストなんじゃないのかと突っ込みたくなる。
銀行の金を盗んでどこかに隠した罪を着せられ町の住民にリンチされた兄の復讐のため、銃のスペシャリストと呼ばれる弟が町に帰ってきた。彼は事件の真相を追うが・・・。
主演はジョニー・アリディという、どうやらフランスの歌手らしいが、俳優としてもいろいろな映画に出ている人。ちょっと陰のあるいい男だが、体格が貧弱に見えてしまっていてあまり強そうに見えないのが残念。セルジオ・コルブッチ監督は暗いのと明るいのどっちも撮る人だが、今作はさほど明るいわけではないが暗すぎるわけでもない感じ。あらすじだけ見ると暗そうなのだが、パッケージの左側の保安官と右側の山賊?の頭のキャラが暗くなりすぎるのを抑えているといった風。特に保安官はなかなかいい味を出している。若いロン・パールマンをちょっといい男にしたような風貌がよい。
隠された金の行方は、ああなるほどねぇという感じで、全体の流れとして不自然な展開ではなかったのがよかった。それと単なる賑やかし要員と思われた若いヒッピーのようなやつらの使い方も悪くない。
特筆すべきは、ラストの対決である。ネタバレになるので詳細は控えるが、これほどシュールな光景を描いたシーンは自由奔放なマカロニウェスタンといえどもそうそうないだろう。
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