昭和歌謡大全集
12月 30th, 2022 by PureJyam
「昭和歌謡大全集」 2003
村上龍の原作は好きなので何度も読んでいる。映画化されていたことは知っていたが、まぁどう考えても原作のよさを映像化できるとも思えなくてあまり見たいとも思っていなかったのだ。
監督は篠原哲雄、主演は松田龍平。ブルーレイは出ていなくてDVDで、しかも中古で買った。
タイトルとはうらはらに若者とおばさんが殺し合うという荒唐無稽なお話であるのだが、原作は細部の書き込みとその文体で妙なリアリティを生み出していた。
しかし映像化されるとやはりどうも作り物っぽさが出すぎてしまっているようだ。特におばさんが皆きれいすぎておばさんではないのが致命的。樋口可南子や森尾由美、細川ふみえは年齢はともかくおばさんには到底見えない。若者側もちょっとイケメンぞろいで、原作の狂気感が薄すぎる。
松田龍平演じるイシハラは悪くはないが、もうちょい素っ頓狂さがほしいところか。個人的には原作を読みながらイシハラはSMAPの香取慎吾が似合うなぁと思っていたのだが、さすがにそのキャスティングは無理だわな。
脚本は概ね原作通りなのだが、何故かラストは変更されていて、いやラストこそ原作通りにやらなきゃだめなんじゃないのという感想しかない。
クライマックスのチープさが悲しいが、当時の技術ではあれが限界か。
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