バルタザールどこへ行く
9月 8th, 2022 by PureJyam
「バルタザールどこへ行く」 1966
監督はロバート・ブレッソン、フランス・スウェーデン合作である。どんな映画か全くわからぬまま買ってしまう。まぁタイトル買いである。ただ、新品で買うにはちょっとリスクを感じる値段だったので、中古で買った。
原題は「バルタザールが行き当たりばったり」ということで、もし直訳だったら買ってなかっただろう。この邦題は素晴らしい。
主人公はロバである。ロバの名前がバルタザールであり、パッケージの少女マリーが名づけ親だ。彼女も主人公の一人ではある。
マリーが幼い頃一頭のロバをバルタザールと名づけ可愛がっていた。やがてバルタザールはいろいろな人たちの手から手へと渡るが、どこへ行っても過酷に労役させられる境遇が変わることはなかった。そして成長したマリーも含め彼を使役する人間たちもまた、愚かな選択を繰り返すのだった。
セリフは少なく、登場人物の関係や状況もわかりにくいが、バルタザールの目を通して運命に翻弄される人々を淡々と描写している感じは悪くない。
常に不安そうな目をしているマリー役のアンヌ・ヴィアゼムスキーがとても美しい。後年ジャン・リュック・ゴダールと結婚している。
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