アウトレイジ
大分前にケーブルテレビで一挙放送していたものの録画で見る。さすがに3本立て続けに見たので疲れた。
「アウトレイジ」 2010
もう12年も前の映画だったんだねぇ。5年くらい前かと思っていた。北野武監督のヤクザ映画である。登場人物が多く、関係が込み入っているので要約するのが難しいストーリーだが、基本的に自分たちのシノギしか頭にないヤクザ同士が騙し合いと殺し合いに終始するだけのものだ。
ただもはやヤクザ映画というよりは、撃ち合いだらけのマカロニウェスタンとか斬り合いだらけの時代劇とか、そういう系のエンタメ映画であり、ヤクザという概念を使ったバイオレンスファンタジーとも言えるかもしれない。とにかくめったやたらと対立組織のメンバーを撃ち殺しまくっていて、戦後の混乱期ならまだしもさすがに現代日本でそれはあり得ないよねという感じ。ただまぁエンタメに振り切った分面白いことは面白い。
ヤクザたちの間をフラフラと飛び回り、金を貰っているマル暴役の小日向文世がいい味を出している。あと一見ヤクザっぽくなさげに見えるがしたたかな三浦友和もよい。
「アウトレイジ ビヨンド」 2012
「アウトレイジ」とは少し捻った関係なのかと勝手に思っていたが、前作の5年後という設定のごく普通の続編だった。前作で部下を皆殺しにされた組長役のたけしが遺恨を晴らす物語。
ただ関西の組織を絡めて新味を出そうとはしているが、やっていることはほぼほぼ前作と同じように騙し合いと殺し合いではある。
関西ヤクザの西田敏行と塩見三省が貫録ありすぎて、他が霞むほどなのが印象的。
「アウトレイジ 最終章」 2017
5年くらい前かと思っていたのは、たぶんこれが公開されたのが5年前だったからなのだろう。3部作のトリを飾る作品だが、やっていることは変わりない。やはり続編であり、1作目から続く物語の締めである。ただ、果たして3作作る必要があったのかというと、難しいところ。
どれもやっていることは似たり寄ったりで、変わり映えがしない。それぞれに特徴的な見せ場がないので、どれも同じようにしか見えないのだ。かつそれぞれが続きが気になるというような話ではなく、1作目で終わっていれば、それで完結しているし、2作目で終わってもそれはそれで話としては、収まっているので、3作作る必然性に欠けるのだね。もちろんヒット作だったので、事務所的にも作ってほしかったのだろうし、監督も3部作という形で完全なものにしたいというのはあったのだろうとは思うが。
前作から実時間で5年経っていることもあり、その間に西田敏行と塩見三省が病気になってしまい、出演はしているものの、前作とはまるで別人のような雰囲気なのが悲しかった。
3作品とも面白かったことは確かなのだが、1作目だけで終わっていた方がよかったんじゃないかと思わずにいられない。
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