シン・ウルトラマンその3
様子見かなぁとか言ったそばから、結局見に行ってきました。
「シン・ゴジラ」のときと同じくどうにも気になってしょうがなかったんですよね。平日の朝一の回だった割に人は入っていて「シン・ゴジラ」と同じくらいはいました。
で、面白かったかというと、まぁ面白かったです。
とはいえ「シン・ゴジラ」ほどの味わいはなくて、ブルーレイが出たら買うか買わないかは微妙な線。
基本的に普通にウルトラマンです。令和のこの時代にリメイクするならこうなるよねという感じ。
元祖テレビシリーズで描かれたウルトラマンの来訪から帰還までをちゃんと約2時間の中に収めています。
ただそのせいか展開は駆け足気味で目まぐるしい。特にウルトラマンに憑依される斎藤工について、憑依される前のキャラが描かれていないので、ウルトラマンがなぜ斎藤にこだわるのかという部分が弱い気がする。途中のエピソードを多少刈り込んででもそこは描くべきだったのかなと。
斎藤工は最初から最後までほぼ人間でない状態なので、感情の起伏がなくずっとクールなまま。それはそれでかっこいいですけどね。それに対比するように彼のバディとなる長澤まさみは逆に感情を露にするキャラになってます。が、ちょっと中途半端なんですよねぇ。思い切ってもっと体育会系の熱血漢に振り切ってしまった方が、バランスが取れたかも。もっともそうなると漫画チックになり過ぎてしまうかもしれないですけど。こういうのってすごく難しいですよね。何かを重点的に描こうとすると別の何かが薄くなるし、キャラの性格付けも極端にした方がわかりやすいけど、やりすぎると現実感が薄れてしまうし・・・。外から言うだけなら簡単ですが、作る側は大変です。
さて、キャストの中で秀逸だったのがメフィラス星人役の山本耕史。胡散臭さMAXの宇宙人を見事に表現して、いっそストーリーはメフィラス星人との対決に絞ってしまってもよかったんじゃないかなと思うくらいでした。
元のウルトラマンをよく知っていればわかる小ネタが多分たくさん仕込まれているようなんですけど、個人的にウルトラマンはリアルタイムで見ていた世代ではあるものの、見ていたのがかなり幼い頃すぎてあまり憶えてないので、その辺はほとんどわかりませんでしたね。ただカメラアングルとかに実相寺監督っぽさを感じるところもあったので、その辺にもオマージュ的な何かがあったりもしたのかもしれません。
まぁわたしとしてはエピソード描写のバランスの悪さと一部シーンの演出で監督のセンスのなさが露呈するところが気になったものの、エンタメ映画としてはかなり面白く仕上がっているので、見に行ってよかったなとは思いました。
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