十一人の侍
「十一人の侍」 1967
工藤栄一監督の集団抗争時代劇のひとつ。まぁようするに主人公側が大人数で、かつたくさんの敵と乱戦になる系の時代劇ということ。工藤監督はこの少し前に「十三人の刺客」というのも撮っていて、この時期東映はこの手のものをよく作っていたらしい。
主演は夏八木勲、他には里見浩太朗、大友柳太朗、佐藤慶、西村晃など、当時の時代劇ではよく見る面子がそろっている。世代的に夏八木勲はテレビでよく見ていたが、どちらかというと渋いわき役のイメージだったので、主役をしているのはちょっと新鮮な感じがした。DVDのパッケージはカラーだが、本編は普通にモノクロである。
将軍の弟とかいうバカ殿の暴虐をたしなめたために藩主を殺されたが、幕府の老中によって逆に悪者扱いされて取り潰しの沙汰を受けた藩の藩士たちが、その復讐のため立ち上がる。という忠臣蔵のようなストーリーだが、いかんせん手勢は11人しかいないので討ち入りというわけにもいかず、密かにチャンスを狙うものの、バカ殿の超有能な家老の大友柳太朗と幕府の老中佐藤慶の立ち回りや予想外の人物の行動で作戦が乱されたりと、このあたりの緊張感の高め方がうまい。
最終的には11人対50人の大乱戦に突入するのだが、以前にも書いたが、この少人数対大人数というシチュエーションが好きなので、これだけでも評価高くなってしまう。
乱戦の殺陣がもう型もなにもないとにかく必死に切りまくる感じで、なかなかの迫力。その中で夏八木と大友の一騎打ちになるところも魅せてくれる。
とても面白かったが、11人の味方のほとんどがモブ扱いなので、乱戦になるとどっちが味方でどっちが敵がわかりずらかったのが難点。
途中で味方に付く素浪人が、声に聞き覚えがあるのに顔を見ても誰だかわからなかったのだが、Wikipediaで確認したら西村晃だった。どうも年取ったあとのイメージしかなかったので、全然わからなかった。
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