ヤミヤミ≒ヨマイヨマイ

このブログはわたしじゅんはじめが外界からの数多の刺激の中で妄想した事柄とか内なる衝動が生み出した邪なる創造の萌芽とかそういうなんだかよくわからないものを徒然なるままに日々雑記として書きつらねていこうと画策した上に設置されたものである・・・・・・・のかもしれないぞっと(^^ゞ

第三の男

8月 14th, 2021 by PureJyam

いろいろあった末に結局女に愛想をつかされる男の話という点ではなんとなく共通点が無きにしもあらずな2本。

「ミラーズクロッシング」 1990
禁酒法時代のアメリカのマフィアの話。アイルランド系のボスとイタリア系ボスの間で対立が起こり、アイルランド系ボスのレオの友人であり右腕でもある主人公トムが、持ち前の頭脳を駆使し両陣営の間をフラフラと立ち回るが、レオの女が絡んで結局のところ綱渡りを強いられることになる。とても面白い。よかった。
監督、脚本は「ノーカントリー」のコーエン兄弟。マフィア映画ではあるが、さほど派手なドンパチがあるわけではない。特に主人公はほとんど殴られてばかりいる。対立する2つの派閥を手玉にとって立ち回るというところが、「用心棒」っぽいなぁと思ったが、Wikipediaによると「用心棒」が影響を受けたと言われるダシール・ハメットの「血の収穫」にやはり影響されているということで、アイディアの元が同じなので、似ているのかと納得した。
タイトルの「ミラーズクロッシング」というのが響きがかっこよいので、どういう意味なのか気になっていたが、物語上重要なシーンが行われる地名だった。どんよりとした曇り空の下の森のシーンはかなり印象的。
出ている役者は知らん人ばかりで、特に主人公役は最初ちょっと地味なんじゃないかと思ったが、見ているうちに悪くないと感じるようになった。

「第三の男」 1949
言わずと知れた不朽の名作。とはいえ、今まで見たことなかった。超有名なテーマ曲とオーソン・ウェルズが出ているということは知っていたが、内容までは知らなくて「第三の男」の意味がようやくわかった。
アメリカのしがない活劇作家のホリーが、友人のハリーから仕事を依頼され戦後間もないウィーンにやってくるが、ハリーは事故で死んでいた。不審に思ったホリーは真相を探るべく、ハリーの恋人だったという女といろいろと嗅ぎまわるが・・・。というかなり普通にミステリー物だった。もっともオーソン・ウェルズがなかなか登場しない時点で、真相は察しがついてしまう。そもそもこのパッケージはネタばれじゃないのかね?
最初、オーソン・ウェルズが監督もしているのかと誤解していたのだが、監督したのは、「市民ケーン」の方だった。こっちの監督はキャロル・リード。原作・脚本はグレアム・グリーンだ。
モノクロならではの光と影の演出が秀逸。特にウィーンの地下下水道のチェイスシーンは素晴らしい。さすが名作と呼ばれるだけある。
また、主人公はアメリカ人でドイツ語がわからない設定なので、街の人がドイツ語で話しても字幕が付かないため、見ている方も主人公と同じような立場に置かれ、それが緊張感を生み出している。
やはり名作と呼ばれる映画はちゃんと面白い。
ただ、ラストシーンでの主人公の行動にはあまり共感できないなぁ。何を期待したんだろうか。どっからどう考えてもああなるのが当たり前だろとしか思えないもの。
まぁそれも含めてあの有名なラストシーンの余韻が深まるということなのかもしれないけどね。

Posted in 映画

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