ミクロの決死圏
SF映画2本。作成年に20年の違いがあるが、出てくるガジェットは古い方が新しく見える。
「未来世紀ブラジル」 1985
監督はテリー・ギリアム。「12モンキーズ」でもそうだったが、絡み合ったチューブとかブラウン管モニターとか、未来っぽいようで未来っぽくない、スチーパンク的な世界観で描かれるディストピアSFだ。なんにでも書類を要求する管理社会でその中心となる情報省で働く主人公が、夢で見た理想の女を追い求めるうちに、その社会からはみ出していく物語。世界観のイメージは大好きだが、個人的には主人公に感情移入できないので、そこに引っかかってしまう。ただラストを見るとまた違った解釈もできるので、もう一度見直すと感想は変わるかもしれない。
「ミクロの決死圏」 1966
テレビで何度か見ている。最後に見たのはいつだったろうか。大体のストーリーは憶えているが、細部は曖昧だった。まぁ何度見ても面白い。Amazonのセールで安くなっていたので、懐かしくて買ってしまった。
人体を縮小して体内に送り込み治療させるというアイディアがそもそも秀逸だ。まぁドラえもんの世界でありそうな感じ。どういう原理で縮小させるのかは突っ込んではいけないところ。何せ1966年の制作なので、コンピュータもテープ装置付だったり人体のマップも手書きだったりする。CGなんぞはないので、人体内部は恐らく巨大なセットと昔ながらの特撮を使ってるのだろうが、誰も見たことのない人体内部の表現はなかなかによくできている。原題が、「幻想的航海」というだけあって確かに幻想的な描写も多い。特に血管内の赤血球とかの表現はCGのない時代にどうやって撮ったのかは気になる。
東西冷戦華やかなりしころなので、東側スパイの暗躍で危機に陥るとか、わりとべたな展開だが、ミクロ化の時間制限と相まっていい感じに盛り上げてくれる。
外側でやきもきする将軍と大佐のコンビがいい味を出している。ちゃんとした立場の人間がちゃんとした判断をできるような人間として描写されているのが好ましい。
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