読書 2012/08
このくそ暑いのにいろいろ忙しくて帰りが遅くなることが多い・・・
そんなこんなでブログの更新もままならないわけ(>_<)
まぁ言い訳は置いといて、8月は大量6冊。でも3作品なんだけどね・・・
「希望の国のエクソダス」 村上 龍
村上龍が日本を描くと大抵は破滅に向かってのろのろと歩んでゆくどうしようもない国になる。
そして大抵はカリスマ的な人間が登場し、破滅から救うことになる。もっとも単に別な破滅に向かわされてるだけなのかもしれないが・・・
この小説が書かれたのは2000年だが、ここでもやはり日本は経済的に破滅に向かってゆく存在だ。
登場するカリスマは中学生のポンちゃん。彼ら中学生は一斉に不登校となり、学校は崩壊する。そんな中でポンちゃんはネットを駆使して新しい世界を目指す。
村上龍の世界は好きですからこれもわりと好きです。でもちょっと健全すぎて物足りないかな(^^;)
「暗黒館の殺人」 綾辻 行人
先月「奇面館の殺人」を読んでちょっと面白かったので、懸案だった大長編の「暗黒館」に手を出してしまう・・・
文庫で4冊、原稿用紙2600枚はしかし長すぎるね。
館シリーズの集大成と銘打っているけれど、個人的には期待外れ。
やたらとおどろおどろしい舞台装置を用意して読者を煙に巻いてるけど、およそありえない偶然をもってこれが真相だと言われても、ふーんとしか言いようがない。
伏線の張り方は見事だが、もはや推理小説じゃないよね。単なる怪奇小説もどきにすぎない。
舞台装置はおどろおどろしいのだけど、残念ながらそれが全く伝わってこないのも難点。
そもそも文体がこういう小説には向いていないのではないかな。
横溝正史が書いていたら相当面白かったような気がする(^^;)
さて、これで館シリーズも全読破完了ですな。結局一番最初の「十角館の殺人」が一番面白いんだよねー。
「Q & A」 恩田 陸
ショッピングセンターで起こった事故?に関わった人間を登場人物にした連作。
最初の何編かはタイトル通りQ&Aだけで成立している。
全編それで通して最終的に事故の真相をあぶり出すという趣向なのかと思ったが、そういうわけではなかった。
しかし全部会話だけで通していて、登場人物の名前すら出てこないのは面白い。
事故の真相は真相があるようなないようなぼかした書き方だが、それはそれで奇妙な味を出している。