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既に7回同じ話が続いている「エンドレスエイト」ですが・・・
ああそうです、「涼宮ハルヒの憂鬱」の話です。
時間がループする物語はさほど珍しくありません、とはいえ個人的には学園祭前日を延々と繰り返す「ビューティフルドリーマー」しか浮かびませんけど。
さて、ループする物語を演出しようとするとき、普通同じシーンを何回も繰り返すという描写をします。もちろんそれがループしているという事実を一番端的に表現するからです。
ループということを伏せておいたとしても、同じシーンを繰り返せば観客はなんかおかしいと思いやがて物語がループしていると気づきます。
もちろん繰り返さずに単に台詞だけで説明してしまうというのもありですが、さすがにそれでは効果が薄いですね。
もっとも「エンドレスエイト」の原作は実は一度もループすることなくただ台詞のやりとりだけでループしているという事実を示していたりします。
まぁ小説ですからそういうのもありですが、やはり映像化するとなるとシーンの繰り返しを入れたくなるのは人情ってもんでしょう(^^;)
しかし、学園祭前日の準備風景を繰り返せばいいだけの「ビューティフルドリーマー」と違い、「エンドレスエイト」のループは8月17日から8月31日と2週間もあるのでエピソードを並べるだけでもかなりの尺を費やしてしまいます。なので30分枠の中でシーンの繰り返しと登場人物たちがループの事実を知ることとそこからの脱出すべてを表現するのは結構きつい。
なので複数話を費やして構成するというのはありかなぁ。わたしが演出する側だったとしたら確かにちょっとやってみたい気はします。
1話目は全く普通にエピソードが流れる。
2話目で登場人物たちがループに気づくが、なすすべなく終わる。
3話目でループを脱出。
単純に考えるとこの3話構成が収まりがよいですかね。ただ話数の限られた連続テレビアニメでさほど出来のよくない地味なエピソードに3話も費やすというのは普通なら企画自体が通りそうにありません。
2話目と3話目を合体させて、2話構成に圧縮するというのもできそうですが、それだとループに気づきつつもなすすべなくまたループしてしまうというもどかしさを表現できないので、やはり3話はほしいですねぇ。
ただ、これはあくまで1話まるまるループするエピソードに費やすという前提です、1話分を前半、後半にわけてループするエピソードそのものをはしょって圧縮すれば、実質2話でもなんとかなりそうです。
そもそも「エンドレスエイト」は夏休みにSOS団が遊びまくるというだけの話なので、エピソードはいくらでも圧縮はできそうなんですけどね(^^;)
で、まさかこのループを実際に7回も放送してしまうとは・・・
上の構成でいくと、2話目にあたる部分を既に6回繰り返してるわけです。まぁ贅沢といえば贅沢な演出ですねぇ。確かにこれだけ繰り返されるとループにうんざりするという登場人物の心理を同じように味わえますから。
でもさすがに見ていて面白くはないんですよね。エピソード自体が地味で繰り返し見られるほどのインパクトがないですし、ちょっとずつ演出は変えているようですが、結局同じ話の繰り返しですからよほど細かく見ないと違いが微妙ですし。
マニア的には作画がどうとか台詞がどうとかで盛り上がれるのかもしれませんけど(^^;)
いや待て、これはもしかして萌え系のアニメなんて結局登場人物たちが同じ話を繰り返すだけのものにすぎないじゃねぇかという制作サイドの深遠なるアンチテーゼなのか?